第25回講演会 開催レポート
REPORT
「わが街健康プロジェクト。(以下、わがプロ)」の第25回講演会が2019年11月26日、倉敷市民会館であり、倉敷市を中心に176人の方が参加されました。ブロンズサポーター(講演会参加3回で認定)は331名、ゴールドサポーター(講演会通算6回参加、サポーターズミーティング2回参加で認定)は131名、プラチナサポーター(講演会通算6回参加、サポーターズミーティング通算4回参加、わが友ポイント30ポイント獲得で認定)は4名となりました。
今回は、「老いても口から長く食べるために〜嚥下の検査とリハビリについて〜」「摂食障害の予防と摂食障害になった場合の適切な食事形態について」の2本立てでした。
医療法人水清会 水島第一病院 内科部長 田中 志幸 先生は、歳を重ねると喉の働きが弱くなり、喉頭蓋の閉まるタイミングと食べ物が通過するタイミングが合わず食べ物が気管へ入ってしまう「誤嚥」が起きやすいと説明されました。また、細菌を含んだ唾液や消化液を含んだ食べ物などが就寝時に逆流するなどして気管へ入り、肺が炎症を起こす「誤嚥性肺炎」のしくみを解説。「激しく咳き込む」「高熱が出る」「痰が多くなった」「呼吸が苦しい」などの症状がある方は誤嚥性肺炎を発症しやすいため、摂食嚥下外来がある医療機関へ相談するよう呼びかけられました。摂食嚥下外来で誤嚥疑いや専門的な検査が必要と判断された場合、嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)で嚥下の確認をすること、検査などで嚥下機能の低下が認められれば摂食機能療法を行い、機能回復を支援します。講演の最後に、各自が取り組めることとして、口の中を清潔に保つことや、嚥下のトレーニングなどを紹介されました。
水島協同病院 摂食嚥下・障害看護認定看護師 土居 美代子 先生は「オーラルフレイル(口の虚弱)により、高齢になるほど誤嚥や窒息の危険が増えていく」と話され、予防として、舌圧や口の周りの筋肉、肺活量を改善できるトレーニングを紹介されました。また、歌を歌うことは滑舌と肺活量の改善が期待できるとし、「リンゴの唄」を会場のサポーターの皆さんと一緒に歌いました。口の機能の衰えは50歳代から始まることも紹介し、トレーニングの重要性を訴えました。嚥下障害の人に不向きなものとして「誤嚥や窒息しやすい水分が多く含まれたもの」「のどに詰まりやすいパン」「口のなかでバラバラになる刻み食」などを挙げた上で「食事を摂る時の鉄則は顎を引くこと。顎をあげると危険なためテレビを見ながらの食事には十分気を付けてほしい」とアドバイスされました。
アンケートからは「自分がこれから注意することがたくさんあり、関心を持って聞かせていただきました」や「嚥下障害は自分には関係ないと思っていましたが、今回はじめて知りました。口の中を清潔にして首、舌を鍛えると良いことが分かりました」「とても分かりやすかったです。身近な問題でした。」などの感想があり、病気の予防と健康維持について新たな発見や学びがあったようです。
サポーターの「声」(アンケートから)
●かかりつけ医からいろいろと紹介してもらっています。
●「なんかへん?」と思ったときにはすぐにかかりつけ医に相談しています。早期治療と安心につながっています。
●かかりつけ医を見つけました。
●主治医を決めて診てもらっています。