第6回サポーターズミーティング 開催レポート

REPORT

倉敷中央病院
総合相談・地域医療・
入退院支援センター
医療福祉相談室
曽我 比呂子先生
しげい病院 地域連携部
地域連携・入退院支援課
南 俊也 先生

転院の必要性について皆で意見交換

2017年4月27日、対話型企画「サポーターズミーティング」第6回を開催しました。参加対象はブロンズクラス以上に認定されているサポーターで、構成はミニレクチャーとグループ討議(ファシリテーターとして倉敷MSWネットワーク会議から医療ソーシャルワーカー(以下MSW)と、プロジェクト事務局スタッフが加わる)としています。

第6回のテーマは、第5回に引き続き「転院」で、倉敷MSWネットワーク会議から倉敷中央病院 総合相談・地域医療・入退院支援センター 医療福祉相談室 曽我 比呂子 先生としげい病院 地域連携部 地域連携・入退院支援課 南 俊也 先生(共にMSW)が「急性期病院・回復期病院における地域連携医療と入退院支援」と題し、ストーリー仕立てでお話ししました。

展開として、69歳男性が前夜から身体に異変を感じ様子をみていましたが、翌夕方に転倒した際、起き上がれなくなったため、かかりつけ医を受診しました。身体所見から「脳梗塞の疑い」と診断され急性期病院へ救急搬送、詳しい検査の結果脳梗塞と診断され保存的加療の方針で入院となりました。その後、回復期リハビリ病院へ転院しご自宅に帰られるという流れでした。

曽我先生からは、転院が必要な背景として、高齢者の増加・人口減少により限られた医療資源を上手に使いすべての人が必要な医療サービスを受けられる体勢にするには、病院が役割分担をすることが重要と説明されました。また急性期病院の視点から、かかりつけ医からの紹介を受けて治療し、転院になる過程についてお話しされました。

南先生からは、地域連携パスに基づき、患者さんの希望を聞き、自宅を調査し退院後自立した生活が送れるように、生活に関するお手伝いのお話をされました。また、退院前調整会議では、患者さんやご家族にも参加してもらい、入院中は食事やバリアフリーなど環境が整った生活だったが、退院後はできるだけ自分でやっていく意識付けの場にもなっていると話されました。

ミニレクチャー後は、各グループで自己紹介やクイズに挑戦し会場が和んだ後、グループ討議の議題「①なぜ、転院することが必要なのでしょうか」「②転院にはどんなメリットがあるでしょうか」「③サポーターとして何ができるか考えてみましょう」について、意見交換が行われました。

グループ討議で出たご意見

●何かあればまず、かかりつけ医に相談をし、紹介状を書いてもらう。さまざまなデーターをかかりつけ医で管理してもらい、的確に紹介してもらってはどうか?転院させられたのではなく、帰ってこられたと思えるようにしていきたい。

●急性期病院にずっと入院していたら、次の入院患者を受け入れることができなくなる。転院することで、急性期病院が、重症患者を受け入れることができる。

●ソーシャルワーカーの存在を初めて知った。わが街健康プロジェクト。の活動を友人知人に紹介することはもちろん、相談窓口としてソーシャルワーカーを入院している方へ紹介することもできると思う。

●転院のメリットについて、住み慣れた地域で治療を受けることができ家族の援助も受けられるし、専門的な治療やリハビリを決められた期間内でゆっくりと受けることができると思った。